荒川と映画

いつでも夢を

１９６３年　日活青春映画。前年には「キューポラのある街」があります。
この「キューポラのある街」はご存知　川口市の撮影で荒川土手のシーンがあります。

そこで　「いつでも夢を」も同じではないかとひらめきました。
オープニングではゴルフ場と隅田川が映っています。
まずは「尾竹橋」へ・・・　

川と川の間の土手の幅が違うし、川の湾曲も違います。
そこで「江北橋」へ行きました。　どうもここらの工場らしい。

ゴルフのショットから始まります。
そのまま青空へ
そして　川岸を右から左へパーンします・・
「星よりひそかに　雨よりやさしく・・・」
これより良い出だしのシーンを知りません。
正面が首都高王子線でその下にわかりずらいですが、豊島橋のアーチ（青）があります。

同じ所を映画の場面で。
前から右への建物は、場所があっていれば日産化学工業です。　
今は団地になっています。

同じ場所で右を向くと、こんな感じです。
映画では右から左へパーンしていますが
先ほどの団地（北豊島団地）が左にあります。真中に小さく見えるのは
荒川の向こうの川口の高層マンションです。

５年程前の豊島橋はこんな感じ。

同じ所を映画の場面で。
同じ工場が左にあります。
墨田川のこちら岸の工場の大きな煙突から煙がでてます。

ピカちゃんは相当の脚力の持ち主かも。
西新井あたり（？）から先生（信欣三）を乗せて（現在二人乗り禁止）豊島橋の工場へやってきている。
ゴルフ場（都民）も１９５０年代のオープンなので時代的には大丈夫。
ただ堰堤（えんてい）のあるシーンがありますが、多摩川で撮ったのではと思っています。
くわしい映画のシーンはＤＶＤ（販売元：日活（株）品目番号： DVN-174）をご覧ください。
このころまで自転車が映画の主役の一部になっていました。

平成２０年０３月１７日

今はない日産化学の橋を渡って、
訪問診察先の森田機械の工場へ向かう二人
（ピカちゃんと後ろに先生）。
影を見ると昼過ぎか？
このあと留次のトラックとぶつかりそうになる。出合の始まり。

現在の場所。
両側の黒塀(当時)は「三星ルーフィング」の工場。
この場所はもう一度８分４０秒頃、
勝利が辞書を忘れて取りに帰るシーンで使われています。

平成２１年０３月２９日

留次と金造の二人が荒川土手と走り工場へ配送に向かいます。
写真左には「おばけ煙突」があって煙が出てます。
その右に煙突が２本またその右のやぐら？は送電線の鉄塔です。
何本か大きな煙突がみえますが不明です。

写真中央のマンションビルの右の赤白の鉄塔が現在の「お化け煙突」。
送電線は変わらずありますが、鉄塔は位置不明です。
上の写真とは方向が違うのでもう少し荒川上流から撮影したのかもしれません。

土手を降りて工場街を抜けていきます。
左にコンクリート工場。その左は見えませんが隅田川です。

同じ場所で現在のコンクリート工場。道の前方には「豊島橋」が見えます。
撮影当時はこの橋はもう少し上流にありました。
上から二番目の隅田川の写真にある橋で映画で
先生を乗せてピカちゃんが渡っています。

映画中盤。
左が京成上野本線。この先の踏み切りに向かうのでしょうか？社員二名が歩いています。
右は小学校。線路の架線の鉄柱がなつかしい。

学校の位置はかわりませんが姿はかわっていますね。木も別物のようです。
右の黄色い建物がピカちゃんが秋子の病気の相談に行く施設（映画設定）です。
千住大橋の駅は、ホームが二つになって特急が止まるようになり映画当時とはかなり違います。

日活の映画作りはていねいですね。
トラックのブルーバックもよく見ると、同じ場所を撮影してあります。
ここらへんが、この映画の雰囲気作りをしていてストーリーとは別に、
荒川と隅田川の狭間とゆう地域色を伝えていると思います。

平成２０年０９月１１日

映画のワンシーンのイラスト。
写真奥には４本の「おばけ煙突」。煙が真上に上っているので無風なのでしょう。
はしけは発電所の燃料の搬入か搬出中。
ピカちゃんの「三原医院」は土手沿いにある　ちょっと洋風の建物。ここで二人で開業中。

時は流れて同じ場所。写真奥には青い尾竹橋が見えます。
右すみの赤白の鉄塔は東京電力のもの。
ここ千住緑町も大きな共同住宅に変貌しています。けれどはしけは今も変わらず働いてます。

平成２０年１１月２９日

あきちゃん（松原千恵子）の療養先の病院。
よく見ると左にもみの木があって、大きくなっているがそのまま。
そのもみの木の後ろのイチョウ並木もそのままのように見える。
１：２８頃の院内玄関先のバレーボールのシーンもここ。

現在はＮＴＴの東日本研修センター
になっています。
荒川と関係ありませんが番外として。

平成２１年０５月０６日

これから配送に行く二人（留次と金造）。
左に見える星マーク（テキサコ）の給油スタンドがなつかしい。
二人のトラック（青）以外は黄色い。

現在の貨物会社。
今でも二人がトラックに乗っていてもおかしくないほど、
貨物会社の風景が当時と変わっていない。トラックも黄色いしスタンドもある。

平成２１年３月１７日

ピカと留次の出逢いの瞬間。
ここは旧日産化学工場の南側の横道。

現在の同じ場所。
日産化学は団地へ。横道の黒塀の工場もファミリーレストランに
なりました。

平成２３年０５月０８日

唯一の地方ロケ。
留次と金造は熱海方面へ配達らしい。

根府川の南周辺。
ちょっと風景が違う。
もっと南かもしれません。

ちょっと北へあがって反対方面。

ここは「西湘バイパス石橋IC」。
左の稜線の感じだともうちょっと前かも。
稜線の下は東海道本線。

平成２３年０９月１５日

勝利の父が家を出るところ。
左のこちらから二軒目？らしい。

0:46.09

「寺地小学校」近くの土手北側の勝利の家。
土手の反対側からの風景。
土手の上にはバスが走ってます。

現在の勝利の家のあたり。
首都高が出来て変わってしまいました。

居酒屋で留次とけんかをして、勝利が飛び出した場面。

1:04.40

新橋のガード下。
橋脚の角の石の模様が同じなのでココかも。
有楽町などにも同じような所があるのでどうでしょう。

右にまがって
「ＨＡＴＯ」というバーの方に行きます。

1:04.49

現在のガード下。
レンガの壁とバー「ＨＡＴＯ」がありません。
でもレンガとアーチがおもしろい。

就職の悩みを話し合う二人（ピカと勝利）。
以前の「宮下公園」はまちがいでした。
正解は五反田の「五反田南公園」です。

1:06.23

現在の同じ場所。
ずいぶん変わってますが、雰囲気は同じ。

平成２４年０３月１２日

名場面のひとつ。「寒い朝」。場所は平和島の
旧「日本特殊鋼会社」の海岸辺り。背景には照明が当ててある。時刻は午後４時頃か？　
露出と照明で暗い朝を演出しています。